どうして自然災害が
増えているのかを知る

2000年9月、東海豪雨に襲われた恵那市は、山間部を中心に甚大な被害を受けました。川の氾濫、斜面の崩壊、今までに経験したことがないような被害の原因を探っていくと、そこには山際の荒廃農地や休耕田、耕作放棄地が大きく関わっていることがわかりました。農地には、自然災害を未然に防ぐ効果があります。かつて、多くの人の手によって造られてきた山里。農業従事者は高齢化して離農が進み、山際は荒れていくばかり。保水能力を失った大地は崩れやすく、大量に流れだす雨水で洪水が起こる。東海豪雨は、まさにそれを立証したような自然災害でした。

建設業として感じていたこと

「山際の農地と自然災害とは関係があるのかもしれない…」もともと建設業として道路の整備や斜面崩落の修復工事などを行っていたので、自然災害の現状を仕事として見るたびにこう感じていました。そして自然災害について知れば知るほど、山際の農地の重要性を感じました。荒れた農地を何とかしなければ…!農家をやる人がいないのなら、自分たちで何とかしよう!そして全く未経験だった農業に参入することになりました。

農業の担い手は自分たち!
農業参入から10年で
農業法人認定取得

最初に手掛けたのは「夏いちご」と「ミニやさい」作りでした。しかし鳥獣被害や大規模農地に適さないことから断念。手探りで様々な農産物を作り7年、鳥獣被害にあいにくく栽培しやすい「にんにく」の生産に着手。
2008年「有限会社東野」として起業し、農業の安定的な経営ができるよう動き始めました。翌年には東野の耕作放棄地との利用権設定を行い、農地を拡大。荒れた農地を復元するだけではなく、特別な堆肥を使ってにんにく生産に適した土作りを始めました。

試行錯誤の末に、
やっとたどり着いた
にんにく栽培。

最初は収穫もすべて手作業で始めまたにんにく。予想以上の収獲に、本格的に生産を取り組むことになりました。そして同時に、生のまま保存ができないにんにくの商品開発にも着手しました。

2009年、農地を2haに拡大し、にんにく植え付け機を導入。にんにくの本格的な生産に入りました。2010年、にんにくの芽の収獲。初年は植え付けから収穫まですべて手作業で3トンを収穫。
同年、より安定的な農業経営を目指し、農業生産法人東野 の認定を受けることができました。
にんにくは発酵させることにより栄養価が高く、保存もできることから、黒にんにくの商品化にかかりました。そして現在では当社の主力商品となる「胞山完熟黒にんにく」が完成しました。 そして現在、にんにくの商品化はもちろんのこと、かぼちゃ・白米を使ったスイーツも販売。催事やインターネットでの販売も行っております。

現在の取り組み

JICAの視察・研修員受け入れなどの協力

JICA(独立法人日本国際協力機構)の依頼を受け、発展途上国の農業視察や見学、各国からの研修員の集団受け入れています。農業への取り組みはもちろん、恵那の食や文化を発信する活動も行っています。

子育て世代に働きやすい環境

働きたいけれどまだ子どもが小さくて…という子育て世代のお母さんが、安心して働ける環境作りを積極的に行っています。勤務時間制限や子連れ出勤など、フレキシブルな対応をしています。